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誰もがなりうる“依存症”。ママや家族が依存症だったら?前編【ママのこまりごと】

ママひとりで、抱えこまないでほしいな。
ママの悩みや不安、心配ごとを取り上げていくコーナー。

ママにとっても他人事ではない「依存症」とは?自身もアルコール依存症の回復者であり、現在は女性の依存症ケアに携わる、NPO法人あんだんて インダー女性サポートセンターの小嶋洋子さんにお話をうかがいました。前編と後編に分けてお届けします。



小嶋洋子さん
NPO法人あんだんて インダー女性サポートセンター代表。薬物依存症、アルコール依存症から回復後、2012年、神奈川県横浜市に女性専用の依存症ケア施設をオープン。

依存症とはどういうものでしょうか?

特定の行為や物質を「いけない」と思いながらやめることができず、心身の健康が侵され、通常の社会生活を送ることができなくなる状態をいいます。罪悪感はあるけれども自分の意志でやめられない、これが依存症の一番の特徴ですね。

依存症にはアルコール、薬物、買い物、ギャンブル依存などさまざまな種類があります。

依存症になると依存行為にのめりこんでしまうので、他のことをしなくなります。食事もほとんどしなくなるし、仕事にも行かなくなる。そのうち顔も洗わなくなって、当たり前の生活ができなくなっていきます。依存症になると、健康、仕事、人間関係――多くのものを失うことになります。

 

女性の依存症の現状を教えてください

依存症になる・ならないに男女の差はないのですが、近年、女性に急増しているのはアルコール依存症です。これは女性の社会参加が進み、飲酒の機会が増えたためといわれています。

また、母親が育児ストレスから依存症になるケースや、子どもが自立して「空の巣症候群」から依存症になることもありますね。

依存症になる過程は、男女で大きな差があるといわれています。たとえば男性のアルコール依存症は、飲酒の習慣から依存症に移行するケースが多いのに対し、女性の場合は、幼少期の家族不和や虐待など、過去に受けた心の傷から依存症に至るケースが多いようです。

 

女性の依存症には、どのような問題があるでしょうか?

依存症にはどうしても「だらしない、意志が弱い」など悪いイメージがあり、女性の依存症となるとなおさら、社会の偏見は強くなります。本人も家族も負い目を感じ、依存症であることを隠そうとするので、治療に結びつかないまま事態が悪化してしまうことが少なくありません。とくに、アルコールや薬物依存で健康被害が進むと、取り返しがつかなくなってしまうこともあります。

また、女性はアルコール依存と摂食障害、アルコールと薬物など、複数の依存や行動障害を抱えるケースも多く、そのぶん回復に時間がかかります。

 

(後編につづく)

 

急増している女性のアルコール依存症って?

女性のアルコール依存症は、2003年から2013年の10年間で2倍近くに増えています※。女性は男性よりも短期間でアルコール依存症になりやすく、進行が早いため、早期の治療が大切です。相談は医療機関、支援団体の他、地域の精神保健福祉センターや保健所でも受け付けており、女性向けの支援もあります。(※厚生労働省調査による推計、2013年)

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