気づくと、子どもがいたずらをして大変なことに! なんて経験、ありませんか? ついつい叱ってしまうけど、子どもにとっては成長の機会でもあるんですよね。子どものいたずらに悩むパパママにオススメの絵本を、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんがご紹介します。
今回の絵本 「わるいことがしたい!」
『わるいことがしたい』(講談社) 沢木耕太郎 作 ミスミヨシコ 絵
わるいことがしたい! という主人公の男の子。トイレットペーパーをころがしたり、かべに落書きをしたり…。やりたい放題の男の子にママは?
いたずら盛りの男の子がやりたい放題!
男の子が家の中でやりたい放題の痛快な絵本。ママの「やめて~」という嘆き声が聞こえてきそう! わが家もビデオデッキにバナナを詰め込んで壊され、リビングの壁は落書き用のキャンバスに。
彼らにとってそれは「わるいこと」ではなく、叱られる理由がわからない。だから僕は、牛乳を勢いよくこぼす息子に「もうそんなこと出来るようになったの?!」と褒めました。
うれしそうな息子に、僕はため息をついて牛乳を拭き、後始末の大変さを見せることに。以降、いたずらはめっきり減ったのです。「わるいことは人に面倒をかけること。後始末は自分で」。
この絵本からは、理屈じゃなく体感して覚えていく様子がわかります。
子どもの成長を応援しよう
この絵本のママのように、いたずらを「だめ!」と抑制せずに、全部ひっくるめて成長だと受け止めてみては? でも、自分でしたことの責任の半分は自分で取らせる。そうやって「わるいこと」や「やんちゃ」をして褒められ叱られ、「やって良いことと悪いこと」の分別を学習するのです。
ルールの中で思いっきり遊び、周囲の人たちを笑顔にする人に成長していくはず。ダイナミックないたずらを思う存分楽しむ男の子とママの様子は、いたずら盛りの子どもがいるママ、パパにぜひおすすめです!!
パパだからできる! 読み聞かせのPOINT!
・「わるいことってどんなこと?」の次の ページでは、子どもが「同じことしてる!」と ドキドキするくらい、「こんなことだー!」と 強調して読みましょう。
・BGMは、デヴィッド・ボウイの 「レッツ・ダンス」で!
(この記事はクルール2016年6月号に掲載した記事に加筆・修正したものです。)