ビタミンやミネラル、プロテイン…与えてもいい?
健康や成長のため、子どもには不足のないようにしっかりと栄養を摂ってほしい、と考える保護者は多いでしょう。そのために、ビタミンやミネラルのサプリメントやプロテインなどに興味を持っている方もいると思います。
サプリメントは「食品」のため医薬品ほどテストが厳しくない
そもそもサプリメントとは、どういったものでしょうか? サプリメントは、健康食品の一種と考えられています。つまり「食品」であり、「医薬品」とは違います。医薬品は、厳しい試験を何度もクリアし、許可を得て販売されていますが、サプリメントの場合には、それほど厳しい試験はありません。その分、安全性に疑問がある商品も販売されています。 しばらく前のことですが、紅麹を使った、小林製薬のサプリメントの健康被害が大きな話題になりましたね。このサプリメントは、国の制度として基準が設けられた「機能性表示食品」でしたが、この「機能性表示食品」とは、「事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品」です。 消費者庁長官への届出はされていますが、個別の許可を受けたものではありません。
サプリメントは医薬品ではなく食品のため、「○○が治ります」「病気に効きます」などとパッケージに記載することは、法律違反です。はっきり効果が記載されている商品はもちろんですが、効果をほのめかすようなサプリメントも疑ってかかった方がいいでしょう。
もし子どもにサプリメントを与える際には、「誇大広告をしていないか」「信頼できるメーカーか」「含まれる成分に問題がないか」を確かめて選んでください。
そもそも子どもにサプリメントは必要か
では、子どもにサプリメントは必要なのでしょうか? たとえば、「子どもが乳製品も小魚もまったく食べない場合に、カルシウムのサプリメントを与える」など、偏食で何らかの栄養素が不足している場合、信頼できるメーカーのサプリメントを与えてもいいでしょう。
しかし、カルシウムや鉄の不足が疑われる場合などは、小児科医が必要と判断した上で検査をし、本当に不足していればそれを補うための薬を処方することもできます。医薬品は、効果と安全性を何度も確認されていますから、不足しているかどうか検査を受けず医師や薬剤師の判断を経ないで摂るサプリメントより安心です。自己判断で責任が取れる大人と違い、子どもに与えるものには、より慎重になるべきです。子どもの症状になにか心配な点があったら、サプリメントを飲ませる前に小児科を受診してください。
また、子どもが普通に食事ができていれば、サプリメントを与える必要はありません。栄養素は与えれば与えるほど健康になるわけではありませんし、栄養素によっては過剰症になることもあります。
子どもにサプリメントを与える前には、いつもの食事内容や量、年齢に応じた栄養摂取量を見直した上で、本当に栄養素が不足しているのかどうか、考えてみることが大切です。