ママからのマネーに関するお悩みに、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがアドバイスするコーナー。「教育費について知りたい!」第3回目は、「奨学金ってどうなの?」です。
- 第1回目の記事はこちら→子どもの教育費、これで足りる?【FP西山美紀さんがアドバイス・その1】
- 第2回目の記事はこちら→学資保険に向いている人、向いていない人とは?【FP西山美紀さんがアドバイス・その2】
奨学金は子どものころはあてにせず、“困ったときの救世主”で
「親が教育費を準備しなくても、将来奨学金を借りればよいのでは?」というご相談を受けることがあります。
ただし奨学金は“お金を借りる”ものなので、将来の返済のことまで考えなくてはなりません。
一般的には、子どもが就職してから、子どもが返済することになります。でも、もし子どもがすぐに就職できなかったり、収入が低かったりすると、月々の出費として大きな負担になります。
ですので、奨学金は、子どもが小さいころはあてにしないで、親がコツコツと貯めていくのが正解です。それでもやっぱり足りないと困ったときに、“救世主”として利用するようにしましょう。
奨学金を申し込む場合は、どんなことに注意が必要?
では、実際に奨学金を申し込む場合になった際、どんなことに注意したらよいのでしょうか。まず、日本学生支援機構の奨学金のケースについてお伝えします。「給付型」と「貸与型」の大きく2つのタイプがあります。
「給付型」とは、返還(日本学生支援機構では、返済ではなく、返還という言葉を使います)の必要がないもので、「貸与型」とは、返還の義務があるものです。
「“給付型”なら返還の必要がないのでお得では?」と感じるかもしれませんが、成績や経済的な理由(住民税非課税世帯等)などの厳しい条件があるため、一般的には「貸与型」をイメージしておくとよいでしょう。
「貸与型」は、第一種(利息負担なし)と第二種(利息負担あり)の2つがあります。利息負担がない第一種の方が、借りたお金と同じ額をそのまま返還すればよいのでお得ではありますが、学力基準(評定平均3.5以上)があり、収入の目安(世帯人数が4人の場合)が、会社員なら747万円以下(個人事業主なら所得が349万円以下)といった申し込み基準をクリアする必要があります。
利息負担がある第二種は、学習の意欲があり、収入の目安が、会社員なら1100万円以下(個人事業主なら所得が692万円以下)といった申し込み基準があります。
いずれも、子どもの成績や学習意欲等や保護者の収入といった条件があります。いざお金が必要になってから確認するのではなく、なるべく早いうちからこれらが該当するかを確認しておきたいですね。
大学独自のものや地方自治体の奨学金もある
その他、私立大学を中心に、大学独自の奨学金制度を設けているところもあります。入試で優秀な成績をおさめた場合の特待生制度として、授業料等の免除があるケースもあります。
また、地方自治体が奨学金を設置している場合もあるため、住んでいる地域のHPなどで確認しておくとよいでしょう。
申し込みは、高校在学中に行うものや、大学等に進学してからというものなどさまざまです。「間に合わなかった!」ということのないように、早め早めに確認しておきたいですね。
子どもの希望進路が変わったりするなどで、急に大きな教育費が必要になるケースもあると思います。ぜひ子どもが小さいうちから、「子どもが大きくなったら教育費がかかる」ということを念頭に入れて、じっくり貯めていきましょう。