筑波大学教授の徳田克己先生が、ママの子育てに関する悩みに答えてくれるコーナー。
今回のママの悩みは、「子どものウソ、どうしたらいい?」です。
子どものウソは3タイプある
❶メルヘンの世界のウソ →さらりと受け答える
「昨日の夜、赤いドレスを着てお城でダンスをしたんだよ」といった子どもの話に、「ウソを言うんじゃない」と叱っても、子どもはピンときません。
子どもは想像の世界に自分を登場させて、楽しんでいるのです。ここで叱ってしまうと、空想することを叱ることになり、子どもの想像力は伸びていきません。自分が想像したことを言葉で表現できるのは成長のあかしなので、むしろ喜びましょう。
ただし「どんなお城だったの?」などと詳しく尋ねるのはNGです。「ふ~ん、そうだったの」と軽くスルーしましょう。成長するにつれ、この種のウソは減っていきます。
❷人の気を引くためのウソ →反応しない、取り合わない
みんなが驚くような話をすると注目される、と学習している子どもがいます。大人の中にもいます。
ウソはヒーローやヒロインになる手っ取り早い方法です。もっと注目してもらえるように、さらに大きなウソをつくことになります。
子どもが人の気を引くためにウソをついているなと感じたら、叱ったり、問いつめたりするのではなく、「ふ~ん」と言って取り合わないようにしてください。
ウソをついても、ヒーローやヒロインにはなれないことを学ばせるのです。誰も反応しなければ、ウソをついても無駄なので、子どもはその種のウソをつかなくなります。
ウソをつかなくても、パパとママは自分をちゃんと見てくれていることを実感すれば、ウソをつく必要もなくなります。
❸自分を守るためのウソ →叱り方を見直す
子どもは、いろいろな失敗やいたずらをするものです。失敗は成長の糧、いたずらは科学的思考の素なので悪いことではありません。
しかし、多くの親が失敗やいたずらを叱ってしまうので、子どもは叱られないように言い訳をします。言い訳もウソのひとつです。
自分を守りたい気持ちはみんな持っていますが、自分を守るためにウソをつく子どもは、親にきつく叱られているケースがほとんどです。その種のウソは癖になり、修正するのはとても難しいです。
この癖をつけないようにするには、失敗やいたずらを強く叱るのを控えるしか方法はありません。