前回の記事では、住宅ローンを組んだ際に、どのように繰り上げ返済をしたらよいのかというお話をお伝えしました。
今回は、「これから住宅購入を考えている人」に向けて、住宅ローンについてのお話をお届けしたいと思います。住宅購入の際には基本的に住宅ローンを組むことになりますが、「固定金利と変動金利、どっちがいいの?」と悩まれる方が多いのではないでしょうか。そこで、その考え方についてお伝えします。
金利が“固定”されているか、“変動”するかの違い
まず、固定金利と変動金利の違いについてお伝えします。
固定金利とは、決められた期間、ずっと金利が変わらない(=固定されている)もの。
一方で、変動金利とは、半年に1回金利が見直される(=変動する)ものです。
同じ時期に、固定金利と変動金利とを比べてみると、一般的には変動金利の方が低いです。
「それなら、金利の低い変動金利の方がお得では?」と感じるかもしれませんが、そうとも限らないのです。
住宅ローンは何十年も付き合うものなので要注意!
金利の低さを見ると、変動金利の方が気になるかもしれませんが、ちょっと待って。住宅ローンは、何十年にもわたって返済していくものなので、長い目で考える必要があるからです。
もし、現在が“超高金利時代”であれば、そのうち金利が下がっていくだろうから、変動金利を選ぶという手もあります。ですが、現在は逆に“超低金利時代”。今後数十年のうちに金利が下がるというよりも、上がる可能性が高いと考えられます。
それなら、金利が低いうちに、その金利を固定させた方がいいということになるので、“固定金利”を選ぶ方がいいと言えるのです。
ところが、「最初は変動金利にしておいて、金利が上がりそうになったら固定金利に変えればいい」と思う人もいるかもしれません。その場合は、日々の金利のニュースをチェックし続ける必要があります。
子育てで忙しく、うっかり固定金利に変えるタイミングを逃してしまい、金利がどんどん上がってしまったら大変です。住宅ローンを組んでいる数十年もの間、いつも金利情報をチェックするのは手間がかかります。そういった意味でも、固定金利を選ぶと“気が楽”というメリットがあると言えるでしょう。
繰り上げ返済を確実にできる場合は別の手も
もちろん、例外もあります。共働き家庭や世帯収入が多い場合は、どんどん繰り上げ返済ができるケースもあるでしょう。
30年や35年などと時間をかけずに、早めに返し終えることが確実であれば、固定金利よりも金利が低い変動金利を選ぶというのもアリ。例えば、最初の3年間や5年間、10年間だけ固定金利で、その後変動金利になるタイプ(固定金利期間選択型)を選ぶ手もあります。
ただし、「共働き家庭だったけれど、妻の出産のタイミングで仕事を辞めることになった」「仕事に復帰しようと思ったら、子どもが保育園に入れず、仕事を続けられなくなった」「転職などにより、収入が下がった」などといったように、世帯収入が下がるという場合もあります。住宅ローンについては、あまり冒険をしない方が安心でしょう。
何十年もの長い期間付き合うことになるのが住宅ローンなので、金利の低さだけで決めることなく、ぜひじっくりと考えてくださいね。
次回は、10月25日(水)更新、テーマは「住宅ローンの借り換え、どうする?」です。