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誰もがなりうる“依存症”。ママや家族が依存症だったら? 後編【ママのこまりごと】

ママひとりで、抱えこまないでほしいな。
ママの悩みや不安、心配ごとを取り上げていくコーナー。

ママにとっても他人事ではない「依存症」とは?自身もアルコール依存症の回復者であり、現在は女性の依存症ケアに携わる、NPO法人あんだんて インダー女性サポートセンターの小嶋洋子さんにお話をうかがいました。今回は、その後編をお届けします。



小嶋洋子さん
NPO法人あんだんて インダー女性サポートセンター代表。薬物依存症、アルコール依存症から回復後、2012年、神奈川県横浜市に女性専用の依存症ケア施設をオープン。

回復には何が必要でしょうか?

依存症は本人の性格によるものではなく、自分の気持ちをコントロールできなくなる「病気」なのだと、本人も社会も認識することが必要です。

回復には、他の病気と同じで早期発見・早期治療が第一。とくにアルコール依存などは健康への影響も深刻なので、一刻も早い治療が必要です。

悩んでいる方がいたら、自分が依存症という病気であることを認めて、病院を受診する、支援団体に相談するなど周囲に助けを求めましょう。インターネットで検索してみると、地域の支援団体などもわかりますよ。

依存症になるのは本人のせいではないので、とにかく自分を責めないこと。また、この病気は自分だけで回復するのは難しいので、ひとりで抱えこまないことです。

家族はどうすればいいでしょうか?

依存症患者を抱える家族もまた、苦しんでいます。家族の中で問題を抱えこんでしまうと改善に向かいにくいので、地域の精神保健福祉センターや専門医療機関に相談する、家族向けの支援団体やセミナーに参加するなどしてみましょう。本人への対処法についてもアドバイスを受けられますよ。

家族はどうしても本人に振り回されてしまうのですが、家族には家族の暮らしがあります。家族も心の回復をはかっていくことが大切です。

ママたちにメッセージをお願いします

依存症は、誰でもなりうる病気です。そして、本人に回復したい気持ちがあれば、回復が可能な病気です。

私は父親がアルコール依存症で、いつも暗く、ピリピリと緊張した家庭環境で幼少期を過ごしました。表面は明るくふるまっていたけれど、常に鬱屈とした気持ちを抱えていて、10代で薬物依存、20代でアルコール依存になり、断酒を決意したのは30歳の時です。週刊誌で見つけた支援団体を訪ねて「もうこんな人生はいやだ」、「自分の人生をもっと良くしたい、良くするんだ」その一心で回復プログラムに取り組みました。

断酒して24年が経ち、おかげさまで今は「私はこんな人生が送りたかったんだ」と、心から満足できる人生を送ることができています。

私が運営する施設には、子育てをしながら回復プログラムに取り組むママたちもいますよ。苦しんでいるのは、あなただけじゃないから。どんな状況にあっても、あきらめないで、一歩踏み出してみてほしいなと思います。(おしまい)

急増している女性のアルコール依存症って?

女性のアルコール依存症は、2003年から2013年の10年間で2倍近くに増えています※。女性は男性よりも短期間でアルコール依存症になりやすく、進行が早いため、早期の治療が大切です。相談は医療機関、支援団体の他、地域の精神保健福祉センターや保健所でも受け付けており、女性向けの支援もあります。(※厚生労働省調査による推計、2013年)

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