ママひとりで、抱えこまないでほしいな。
ママの悩みや不安、心配ごとを取り上げていくコーナー。
通常学級でも1クラスに2人は発達障害の傾向がある(2012年文部科学省調査)とされる今、子どもが発達障害やグレーゾーン(発達障害の疑いはあるものの、診断が確定しない状態)で悩むママは少なくありません。
今回お話を伺ったのは、グレーゾーンの2人の子どもを育てるママであり、ご自身も発達障害のモンズースーさん。子育ての日々を綴ったコミックエッセイブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」が大きな反響をよんでいます。
発達障害やグレーゾーンの子どもの子育てとは? モンズースーさんの場合を聞いてみました。前編と後編に分けてお届けします。
お子さんはどんな症状でしょうか?
発達障害といっても幅広く、様々な例があるので、兄弟でも状況はちがいます。長男は気持ちを伝えることや、感情をコントロールすることが苦手。こだわりも強く、思い通りにいかないと癇癪やパニックを起こすので、人とのかかわりがうまくいきませんでした。
次男は、癇癪はあまりないのですが、発達がややゆっくりです。定型の子どもと比べると、言葉や運動ができるようになるのが遅いけれど、少しずつ追いついていくことができます。幼稚園の先生からは「少し遅れていますね」と言われますが、病院では「支援は不要」と言われます。長男より白に近いグレーという感じなのかな、と思っています。
どんな時が大変でしたか?
一番大変だったのは、長男の癇癪です。長男は行動の切り替えがとても苦手なので、たとえば、おもちゃで遊んでいるところから食事となると、癇癪を起してしまう。それも、一度泣き始めたら何十分と泣き続けます。
行動を切り替えるたびにそんな感じなので、ピークの2歳くらいの時は、起きている時間の半分くらい癇癪で泣いていることもよくありました。
そうなると、普通の生活ができません。私もイライラして怒ってしまうし、あきらめて長男が落ち着くまで放置してしまうことも…。
当時は長男がそんなに怒る原因もわからなかったので、ものすごく辛かったです。
大変な時、誰かに相談していましたか?
最初の頃は相談しなかったです。どこに相談すればいいかもわからなかったし、身近な人には、子どものことをネガティブに話すのは気が引けたので。
そんな時に一番救われたのは、子育ての大変さを語っている他のママのブログです。
当時、私は「子育てが辛い」「投げ出してしまいたい」などと思うことがあって、そんな自分にものすごい罪悪感があったんですね。それが、同じような気持ちになるのは私だけじゃないとわかって、かなり救われました。
もちろん本当に投げ出すわけではないし、状況は何も変わらないのですが、自分は子どものこういうことに困っているから辛い、辛いと思うのは悪いことではないんだと思えたのは、とても大きかったです。
何らかの支援を受けていますか?
長男の場合は、1歳半健診のときに保健師さんが子どもの様子に気づいてくれて、地域の療育施設につないでもらうことができました。今は幼稚園の支援級に通っています。
次男は1歳健診で発達の遅れがみられたので、病院を受診してリハビリに通うことになりました。
長男が小さい頃は、発達障害の情報がまだ少なかったこともあり、どこに相談すればいいのかわかりませんでした。電話相談や行政など、いろいろな窓口があるとわかったのは後になってからです。
もし、子どもに何か気になることがあれば、まずは自治体の窓口に相談してみると、必要な場合にはどこか適切な場所につないでくれると思いますよ。
ただ、自治体の担当者も知識がある方ばかりではないので、納得のできない対応をされた・・・なんて話もよく聞きます。
1カ所で納得のいく結果が得られなくても、繋いでくれた先で理解のある方に出合えるかもしれませんし、難しいようなら他の窓口を当たってみてほしいなと思います。
こまっているママにおすすめ
読めば「私だけじゃない」と思える本
「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」
著/モンズースー 発行/株式会社KADOKAWA