コミックエッセイや子育てブログなど、
イラストレーターとして活躍する美菜子ママ。
その多彩な表現力は、描くことをあきらめない
まっすぐな気持ちから生まれています。
やりたいことを追い求める
自分から道を開く一歩に
車を走らせて一路、佐伯市へ。伺ったご自宅の玄関からは、すでに元気な女の子の声が。
「こんにちは！」と迎えてくれたのは３歳になる絵那（えな）ちゃんと、おなかの大きな美菜子ママ。
じつは、取材に訪れたのは出産のご予定を控えた２週間前！
「いまもにぎやかな毎日だけど、これから新しい家族が増えるのが楽しみなんです」と笑う美菜子ママです。
現在はイラストレーターとして、釣り雑誌のコミックエッセイや子育てブログ、似顔絵や挿絵、ステッカーなど、多彩な表現力で幅広い活躍をみせる美菜子ママ。
「兄と、双子のきょうだいがいて、母から言わせると小さい頃からひとり遊びが上手で、ずっと絵を描いていたんですね。その感覚が、仕事になった今も続いているような感じなんです（笑）」。
小学生のときはマンガ家を、中学生になってからはデザイナーを目指して服飾の高校に進学。卒業後は東京のデザイン造形の専門学校に入学し、ファッションを学ぶことに。
「でも、私には向いてないなと（笑）。そんなとき両親から『もう一回、絵を描いてみたら？』とすすめられて、そのまま東京のイラスト専門学校に通ったんです。そのとき、学校に在籍しながらIT企業のクリエイターとしてアルバイトを始めたのが、絵の仕事に携わるきっかけになりました。それから卒業後もその企業に入社して、当時全盛期だったデコメールのイラストを制作するようになったんです」。
そして６年間、東京で働いたあと地元大分に戻り、フリーランスのイラストレーターとして活動を開始。
「とにかく自分の作品を持って、いろんな会社に売り込みに行ったんですね。スマホやモバイル系の仕事しかしていなかったので紙媒体のイラストを描いていくのには不安があったけど、そのうち挿絵や表紙のお仕事をいただくようになりました」。
絵しか描くことができなかったからと笑いながらも、やりたいことを一心に追い求め、仕事の幅を広げていった美菜子ママ。そのバイタリティの強さが、自らの道を開いていく一歩となりました。
自分らしく楽しむこと
好奇心のアンテナを広げる
美菜子ママの描くイラストの特長は、細部まで描き込まれたタッチがユニークで、それぞれの表情がイキイキとしていること。東京の出版社から発刊されている釣り雑誌のコミックエッセイでは、ママ自身も楽しむ釣りの体験を描き、釣り人はもちろん、知らない人でも興味深く読めるコミックとして好評連載中です。
「出身が佐伯市の大入島だから、小さい頃から海は身近な存在。おじいちゃんが竹で竿を作ってくれたりして、海には楽しい思い出がたくさんあるんです。自分でも釣りにハマるようになったのは、釣りが趣味のパパと出会ってから（笑）。釣り好きが高じて出版社から声がかかり、イラストを描いていたことが連載にも繋がりました」。
そしてＳＮＳで発信している子育てブログも、育児中のママたちから共感を呼ぶように。
「もともと言葉で表現するのが苦手で、絵なら自分の思ったことを自由に描ける。子育てブログを始めるようになったのは、絵那が私とは正反対の性格だったせい（笑）。自分の子どもでもこんなに違うのかと、毎日に驚きや発見があったんですね。そんな出来事をママたちと『あるある！』と笑って共有できたら」と美菜子ママ。
感度の高いイラストレーターとしての視線が、子育てならではの“おもしろさ”を見つけています。
絵を描いているときが一番楽しくて、リラックスできると美菜子ママ。
「フリーで仕事をしているメリットは、自分の時間を柔軟に管理できること。ただ、自宅で仕事をしているからこそ、仕事と子育てのメリハリも大切。２人目が生まれたら、もっと時間を上手に使わなくちゃと考えています。いろんな働き方があって、安定しない仕事を不安に思う人もいるだろうけど、続けていれば何かに繋がっていく。好きなことをあきらめなければ、いつかはきっと、カタチになってくれると信じています」。
自分らしく、楽しんで仕事をすること。好奇心が旺盛で、描くことなら何でもチャレンジしていきたいと目を輝かせる美菜子ママのアンテナは、新しく迎える家族との生活にも広がっていくことでしょう。
Instagram：@wkwk.fac
