海に囲まれた日本だからこそ食べられる、海の幸がたっぷりのごはんレシピを、ビストロパパこと滝村雅晴さんに教わるコーナー。調理が不慣れな魚も、魚屋さんを味方にすればぐんと身近に。魚屋さんで上手にお買い物するコツもお伝えします。子どものお手伝いならぬ「子手伝い」の手も借りながら、親子でつくってみてくださいね。
関東と関西で呼び名が違う?!
出世魚として親しまれ、日本の伝統行事にも食卓にも欠かせない「ブリ」。回遊魚で、日本海・太平洋ともに獲れます。
ブリは大きさによって、味わいも名前も異なる魚。地域によっても呼び名が変わり、関東だと大きくなるにつれ「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」。関西は「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」。京都で生まれ育った私は「ハマチ」が聞き慣れた名前で、ハマチの刺身が好きでした。
2月のブリは、成長して脂がのった「寒ブリ」と呼ばれ、人気があります。切り身になって魚屋さんに並ぶ冬の時期が、味も値段もお買い得。塩焼き、ブリ大根、照り焼き…と、調理がしやすく栄養価も高いので、おすすめの食材です。
ブリは、天然と養殖の両方で回っています。漁師さん、養殖業者さんの努力によって、どちらもおいしい! 脂がのった養殖のブリは、しゃぶしゃぶにぴったりですよ。
(天然のブリは、脂が少なく赤っぽく、養殖は脂が多いため白っぽい。)
今回のレシピは、定食でも大人気の「ブリの照り焼き」。大きな切り身に小骨はありません。
子どもも食べやすく、味付けも万人に愛され、自宅にある調味料でパパっとつくれますよ。
冷めてもおいしく、お弁当のおかずにももってこい。1パック3~4切れで売られていることが多いので、家族が多くても取り合いにならずに済みますね。
お魚屋さんに聞いてみよう!
「ブリの腹側と背側、なにが違うの?」
腹側と背側で、脂のノリが違います。揚げ物やソテーなど脂を使った料理にぴったりなのは、どちらでしょう?魚屋さんに訊いてみてくださいね!
ブリの照り焼き
材料(4人分)
*ブリ…4切れ
*白ネギ…1/2本
*薄力粉…適量
*オリーブオイル…小さじ2
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*しょうゆ…大さじ2
*みりん…大さじ2
*酒…大さじ2
*砂糖…大さじ1
つくり方
1. ブリの裏表に塩(分量外)をふり、15分ほどおいたら、水洗いして水気をふき取る。
2. バットにブリを並べて、裏表に薄力粉をまんべんなくまぶす。
(1ヵ所にかけすぎないように、こし器でまんべんなく薄力粉をふるいかけよう)
3. フライパンを火にかけて、オリーブオイルを入れる。ブリを入れ、焼き色がついたら裏返す。
(両面にしっかり焼き色をつける。薄力粉をまぶしてあることで、旨味が逃げ出さず、タレも絡みやすい。)
4. 両面焼き色がついたら、混ぜ合わせたAを回しかけて煮る。途中、スプーンで煮汁をブリにかけ、照りが出てきたら出来上がり。
(フライパンを斜めにして、煮汁をスプーンですくってブリの表面にかけ、照りをつけよう)
5. 白髪ネギをつくる。更に④のブリを盛り付け煮汁をかけ、白髪ネギを添えて出来上がり。
アト辛おとな味
・和辛子
子手伝い
・薄力粉をふる
おまけレシピ「ブリのかま焼き」
魚屋さんで、ブリのかまがやすく売っていたら、即買いですよ!
つくり方
①ブリのかまを水洗いして血合いをとり、うろこをスプーンでこそぎ取る。
②キッチンペーパーで水気を拭き取り、粗塩を全体にたっぷりふって20分以上置く。
③グリルで裏表を焼いたら、大根おろしじょうゆを用意して食べる。