ママからのマネーに関するお悩みに、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがアドバイスするコーナー。「教育費について知りたい!」第2回目は、「学資保険に向いている人、向いていない人とは?」です。
- 前回の記事はこちら→子どもの教育費、これで足りる?【FP西山美紀さんがアドバイス・その1】
学資保険に向いている人、向いていない人は?
子どもが生まれると、将来の教育費について“どうやって準備したらよいのか”と悩みますよね。「学資保険に入ったほうがいいでしょうか」というご相談をよくいただきます。
子どもは大きくなるにつれて、習い事代や塾代、部活動費、受験費用、学校の費用などがかかります。
いざお金が必要になったときに貯めはじめても間に合わないため、子どもが小さいうちから準備をしていくことが大切です。
とはいっても、学資保険で準備した方がいい人と、そうでない人がいるのです。今回は、学資保険が向いている人と向いていない人についてお伝えしましょう。
学資保険に向いている人は、“貯めるのがニガテな人”
学資保険が向いている人は、ずばり「貯蓄がニガテ」という人です。手元にお金があればあるだけ使ってしまって、貯蓄をしても、つい引き出して使ってしまうという人。こういうタイプなら、しっかり「教育費」として、日々の家計とは別にしておける学資保険は向いているでしょう。
ただし、「途中でお金を引き出したくなる人」は要注意。学資保険にはさまざまなタイプがありますが、一般的には子どもが高校3年生のときに大きなお金が貯まるよう準備するもの。
貯めはじめて数年たって「やっぱりお金を引き出したい」と思って解約してしまうと、払い込んだお金よりも少ない金額が戻ってくる(元本割れになる)ケースが多いのです。
「学資保険のお金は、絶対に引き出さない」と考え、そのペースで貯め続けられる人が向いているといえるでしょう。
また、学資保険に入る場合は、満期になったときに、「払い込んだお金よりも多くもらえるタイプか」を確認したうえで入るようにしましょう。
学資保険に向いていない人は、“毎月自分で貯められる人”
実は、学資保険は保険と貯蓄がセットになった商品なので、“貯める”という点ではあまり効率的ではありません。現在は超低金利で、この超低金利を十数年間も固定してしまうのはもったいないからです。
「将来の教育費のために“毎月”“自分で”貯められる人」であれば、学資保険以外の方法で貯めることをおすすめします。
子ども名義の通帳を作って、そちらに毎月必ずお金を移していき、将来金利が上がったときに移し替えるという方法です。
さらに貯蓄と併用して、投資信託の積み立てによって貯めていく方法もあります。最近は月々1000円くらいの小さなお金で積み立てることもできます。
おすすめの方法が、2018年1月から始まった“つみたてNISA”です。投資信託を積み立てていくもので、もし利益が出ても、利益に対して約20%の税金がかからないのでお得です。1年間あたり40万円まで、20年間利用できます。
つみたてNISAは、投資信託の中でも比較的コストが安いものがラインナップされているのも投資初心者に向いているでしょう。毎月積み立てていけば、相場が高いときにたくさん買ってしまうというリスクを下げられます。月1000円などで始めてみて、慣れたら月1万円などにふやすのも手です。
以上、学資保険が向いている人、向いていない人についてお伝えしました。貯蓄額によって子どもの進路が狭められてしまっては大変です。できるだけ早いうちから教育資金を確実に準備していきましょう。