pick up 子育て

子どものおねしょって、どうすれば治るの?【子どものココロ】

筑波大学教授の徳田克己先生が、ママの子育てに関する悩みに答えてくれるコーナー。今回のママの悩みは、「子どものおねしょ」についてです。

 

ママからの質問
4歳の男の子ですが、1週間に4~5回はおねしょをします。寝る前に水分を控えても、夜中に起こしてトイレに連れて行っても、おねしょをしなかったらご褒美をあげると言っても効果がなく…。最近は叱らないよう我慢していますが、私のがっかりした姿を子どもに見せてしまいます。

 


徳田先生より
濡れたふとんを干して乾かすのは大変ですし、おねしょがいつ治るのか、お母さんは不安ですよね。今回は、子どもはなぜおねしょをするのか、どうしたら治るのかを解説しましょう。

 

そもそも、おねしょとは何か

「おねしょ」とは、夜寝ている間に目を覚まさないで排尿してしまうことです。すべての子どもの成長過程にみられる自然な現象で、幼児期のおねしょは珍しいことではありません。おねしょをするのは、膀胱の機能や、夜間の排尿を調整する「抗利尿ホルモン」のはたらきなどが未発達なためです。

年齢でみていくと、昼夜を問わず排尿していた赤ちゃんが、昼間、自分の意志で排尿を調整できるようになるのは4歳を過ぎてからです。5歳くらいまでは夜間の排尿コントロールはまだ難しく、5歳の子ども7~8人にひとりが、1週間に3回以上おねしょをしていると言われています。5歳を過ぎると睡眠のリズムがほぼ確立し、夜間の抗利尿ホルモンの分泌が増えて、おねしょはみられなくなっていきます。

 

家庭での対応の仕方

規則正しい生活と十分な睡眠を心がけて、抗利尿ホルモンのバランスを整えるようにしましょう。

注意したいのは、おねしょをさせないために、夜中に子どもを起こしてトイレに行かせることです。夜中に起こすと抗利尿ホルモンの分泌が乱れる上に、夜中に排尿する習慣がついてしまい逆効果です。夜寝る前に、排尿する習慣をつけます。

また、塩分をとり過ぎると、体が余分な塩分を排出しようと、おしっこをたくさんつくります。食事やおやつの塩分量に気をつけてください。夕方以降の水分量を控えることも必要です。

 

おねしょを卒業する早道とは?

おねしょをした子どもは「悪いことをした」「恥ずかしい」と思っています。「またおねしょをしたらどうしよう」と不安でよく眠れず、おねしょを繰り返してしまうこともあります。子どもから「おねしょをしてはいけない」といったプレッシャーを取り除いてあげましょう。

それには、

①寝る前に「今日はおねしょをしないでね」などと言わない

②おねしょをしても叱らない、お母さんががっかりした姿を見せない

③おねしょをしなかった時にほめない(努力しておねしょをしなかったのではないので、ほめると、次に失敗した時にさらに罪悪感を持たせてしまうため)こと

が大切です。

「いつかはおねしょを卒業する」と、おおらかな気持ちで見守ってあげてくださいね。それが、おねしょを卒業する早道です。

お父さんもお母さんも、おねしょの経験者。おおらかな気持ちで見守ってあげましょう。

子どものおねしょについての2コマ漫画

筑波大学 医学医療系教授 教育学博士 臨床心理士 徳田 克己先生
子どもたちが笑顔で生き生きと過ごせることをめざし、研究・実践に取り組む。幼稚園や保育所、子育て支援施設を回り、発達相談に応じている。最近はディズニー映像の教育的効果や「クレヨンしんちゃん」の分析などの実践研究を手がけている。保護者を対象にした講演会や「お父さん講座」なども好評。
一覧へ戻る

関連する記事

カテゴリ一覧